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基礎技術

【基礎技術】スケール① – 準備編

ここでは、クラシックギターのスケールの弾き方の根本について学んでいきましょう。
ぜひこのページを最後までやって、スケールの基本を習得して下さい。

スケールとは

スケール(英語)とは、音階のことです。音階は古代ギリシャの時代からあると云われていて、たくさんのスケールがあります。現在私たちに馴染みのあるスケールは、スケール(ものさし)という名のとおり、1オクターブを均等に12分割して作られたものです。

音階のことをきちんと説明すると長くなってしまうため、ここでは単純に、音が階段のように並んでいるものを音階として、解説していきます。
難しいことは抜きにして、なるべくシンプルにサクサク進めていきます。

 

基本のすすめ

ギターの弾き方については、人それぞれ言うことが異なると思います。
ちなみに私の基本は我流ではなく、古典期から培われてきたルールを踏襲しています。
したがって、ここではいわゆる王道の基本に沿って、説明していきます。

プロゴルファーの故アーノルド・パーマーは、「自信ある自己流は、自信なき正統派に優る」という名言を残しています。
ですが、私は「自信ある正統派が最強」だと思います。

自分の知っていることと違う考え方が出てくると、どうしても「なぜ?」と疑問に思うかもしれません。
ここでは一旦その疑問を置いておいて、「古きをたずねて新しきを知る」ことから始めてみましょう。

 

それでは、実際に弾いていきましょう。
以下、私が作ったエクササイズに沿って、説明していきます。

譜例1 – 低音弦の音階(ドからファまで)

まずは、低音弦の弾き方にのみフォーカスしてやってみましょう。
(4音しか出てこない小さな階段ですが、これも音階です)

ルール
  • 低音弦とは6〜4弦のことで、基本的にpの指で弾きます。
  • 使わないimaの指は、高音弦(3〜1弦)に置いておきましょう。
    (理由は、右手がピョコピョコしないように安定させるためです)
  • 弦を押さえる時は、音がビリつかないよう、フレットのきわを押さえます。
  • 全ての音をレガート(滑らかに)に弾きましょう。
コツ
  • 弦を弾く時、pの指は根元の関節から動かしましょう。
    (ギターを弾く上での基本です)
  • pの指でアポヤンドをする時には、自然に根元の関節から動きますので、ぜひアポヤンドで弾きましょう。
  • 置いているimaの指は力まないように、弦に優しく添えているだけにしましょう。

 

それでは、悪い例を1つ紹介します。
このようにならないように気をつけましょう。

左手:押さえている指を放す

このように音が鳴っている途中で指を放すと、音が切れます。

押さえた音は切れて、開放弦の音だけはのびるという、アンバランスな状態になっているのがわかると思います。

ここでは全ての音をレガートに弾きたいので、そのために以下のポイントを守りましょう。

5弦から4弦に移る時(ドからレに移る時)に、一瞬だけ音を重ねる。この時、本当に一瞬だけにしないと響きが濁るので注意する。

4弦のミからファを弾く時に、2の指(ミを押さえている指)を放さずに、押さえっ放しにします。

上記の2つを守ってもまだ音がレガートにならない場合は、右手のpの指が早く弦に触れている可能性があります。

これらを守って弾くことができれば、レガートになります。

上記のポイントを守って弾いた例

低音弦の弾き方については、以上です。

低音弦が上手くできたら、次の高音弦の音階に進みましょう。

 

譜例2 – 高音弦の音階(ドからソまで)

まずは、高音弦を弾く上でのルールから説明します。

ルール
  • 高音弦とは3〜1弦のことで、基本的にimの指で交互に弾きます。
    (交互に弾くことをオルタネート奏法といいます)
  • 使わないpの指は、低音弦に置いておきましょう。
    (理由は、右手がピョコピョコしないように安定させるためです)
  • 弦を押さえる時は、音がビリつかないよう、フレットのきわを押さえます。
  • 全ての音をレガート(滑らかに)に弾きましょう。
コツ
  • 弦を弾く時、imの指は根元の関節から動かしましょう。
    (ギターを弾く上での基本です)
  • imの指でアポヤンドをすると、慣れていないと根元の関節から動かせないので、アルアイレで弾きましょう。
  • 置いているpの指は力まないように、弦に優しく添えているだけにしましょう。

 

それでは悪い例・良い例を紹介します。

pの指を低音弦に置いていない

手が跳ねるだけではなく、音も切れているのがわかると思います。

腕がピョコピョコしているために、弦に接触している時間が長くなってしまうのが、レガートにならない理由です。

次の動画のように、pの指を低音弦に置いておくだけで、かなり改善します。
pの指を置いていても、弦に早く触ってしまってはレガートにはなりません。

続いて、左手の解説に移ります。
高音弦をレガートに弾くためのポイントは、低音弦の時のポイントと同じです。

左手の良い例悪い例

2弦から1弦に移る時(レからミに移る時)に、一瞬だけ音を重ねる。この時、本当に一瞬だけにしないと響きが濁るので注意する。

2弦のドからレを弾く時に、1の指(ドを押さえている指)を放さずに、押さえっ放しにします。

これらを守って弾くことができれば、レガートになります。

 

スケールの弾き方(準備編)の解説は、これで終わりです。

まとめ

今回の準備編で音階の根本的な弾き方が習得できれば、次に用意してる実践編も問題なく進められるはずです。

音階は、まずほとんどの曲で出てきますので、この準備編がとても重要だと私は思います。

なるべくシンプルにお伝えしましたので、ぜひこの「準備編」はマスターして下さい。