ここでは、クラシックギターのスケールの弾き方の根本について学んでいきましょう。
ぜひこのページを最後までやって、スケールの基本を習得して下さい。
スケール(英語)とは、音階のことです。音階は古代ギリシャの時代からあると云われていて、たくさんのスケールがあります。現在私たちに馴染みのあるスケールは、スケール(ものさし)という名のとおり、1オクターブを均等に12分割して作られたものです。
音階のことをきちんと説明すると長くなってしまうため、ここでは単純に、音が階段のように並んでいるものを音階として、解説していきます。
難しいことは抜きにして、なるべくシンプルにサクサク進めていきます。
ギターの弾き方については、人それぞれ言うことが異なると思います。
ちなみに私の基本は我流ではなく、古典期から培われてきたルールを踏襲しています。
したがって、ここではいわゆる王道の基本に沿って、説明していきます。
プロゴルファーの故アーノルド・パーマーは、「自信ある自己流は、自信なき正統派に優る」という名言を残しています。
ですが、私は「自信ある正統派が最強」だと思います。
自分の知っていることと違う考え方が出てくると、どうしても「なぜ?」と疑問に思うかもしれません。
ここでは一旦その疑問を置いておいて、「古きをたずねて新しきを知る」ことから始めてみましょう。
それでは、実際に弾いていきましょう。
以下、私が作ったエクササイズに沿って、説明していきます。
譜例1 – 低音弦の音階(ドからファまで)
まずは、低音弦の弾き方にのみフォーカスしてやってみましょう。
(4音しか出てこない小さな階段ですが、これも音階です)
- 低音弦とは6〜4弦のことで、基本的にpの指で弾きます。
- 使わないimaの指は、高音弦(3〜1弦)に置いておきましょう。
(理由は、右手がピョコピョコしないように安定させるためです) - 弦を押さえる時は、音がビリつかないよう、フレットのきわを押さえます。
- 全ての音をレガート(滑らかに)に弾きましょう。
- 弦を弾く時、pの指は根元の関節から動かしましょう。
(ギターを弾く上での基本です) - pの指でアポヤンドをする時には、自然に根元の関節から動きますので、ぜひアポヤンドで弾きましょう。
- 置いているimaの指は力まないように、弦に優しく添えているだけにしましょう。
それでは、悪い例を1つ紹介します。
このようにならないように気をつけましょう。
左手:押さえている指を放す
このように音が鳴っている途中で指を放すと、音が切れます。
押さえた音は切れて、開放弦の音だけはのびるという、アンバランスな状態になっているのがわかると思います。
ここでは全ての音をレガートに弾きたいので、そのために以下のポイントを守りましょう。
この時、本当に一瞬だけにしないと響きが濁るので注意する。
5弦から4弦に移る時(ドからレに移る時)に、一瞬だけ音を重ねる。4弦のミからファを弾く時に、2の指(ミを押さえている指)を放さずに、押さえっ放しにします。
上記の2つを守ってもまだ音がレガートにならない場合は、右手のpの指が早く弦に触れている可能性があります。
これらを守って弾くことができれば、レガートになります。
上記のポイントを守って弾いた例
低音弦の弾き方については、以上です。
低音弦が上手くできたら、次の高音弦の音階に進みましょう。
譜例2 – 高音弦の音階(ドからソまで)
まずは、高音弦を弾く上でのルールから説明します。
- 高音弦とは3〜1弦のことで、基本的にimの指で交互に弾きます。
(交互に弾くことをオルタネート奏法といいます) - 使わないpの指は、低音弦に置いておきましょう。
(理由は、右手がピョコピョコしないように安定させるためです) - 弦を押さえる時は、音がビリつかないよう、フレットのきわを押さえます。
- 全ての音をレガート(滑らかに)に弾きましょう。
- 弦を弾く時、imの指は根元の関節から動かしましょう。
(ギターを弾く上での基本です) - imの指でアポヤンドをすると、慣れていないと根元の関節から動かせないので、アルアイレで弾きましょう。
- 置いているpの指は力まないように、弦に優しく添えているだけにしましょう。
それでは悪い例・良い例を紹介します。
pの指を低音弦に置いていない
手が跳ねるだけではなく、音も切れているのがわかると思います。
腕がピョコピョコしているために、弦に接触している時間が長くなってしまうのが、レガートにならない理由です。
次の動画のように、pの指を低音弦に置いておくだけで、かなり改善します。
pの指を置いていても、弦に早く触ってしまってはレガートにはなりません。
続いて、左手の解説に移ります。
高音弦をレガートに弾くためのポイントは、低音弦の時のポイントと同じです。
左手の良い例&悪い例
この時、本当に一瞬だけにしないと響きが濁るので注意する。
2弦から1弦に移る時(レからミに移る時)に、一瞬だけ音を重ねる。2弦のドからレを弾く時に、1の指(ドを押さえている指)を放さずに、押さえっ放しにします。
これらを守って弾くことができれば、レガートになります。
スケールの弾き方(準備編)の解説は、これで終わりです。
今回の準備編で音階の根本的な弾き方が習得できれば、次に用意してる実践編も問題なく進められるはずです。
音階は、まずほとんどの曲で出てきますので、この準備編がとても重要だと私は思います。
なるべくシンプルにお伝えしましたので、ぜひこの「準備編」はマスターして下さい。