この記事は、前回の【基礎技術】スラー① – 準備編(上向スラー)の続きです。
上向スラーの基礎は、習得している前提で進めていきます。
まだ上向スラーを終えていない方は、先にそちらをご覧いただくことをおすすめします。
それでは早速、今回はクラシックギターの下向スラー(プリング・オフ)の弾き方について学び、練習していきましょう。
以下、私が作ったエクササイズに沿って、説明していきます。
ぜひこのページを最後までやって、下向スラーの基本を習得して下さい。
譜例1 – 下向スラー(高音弦)
- 高音弦は、imの指で弾きます。
- 3の指から1の指へスラーをする時(レからドにスラーする時)には、予め1の指を弦に置いてセットしておきます。
理由は、予め次の指を置いておかないとスラーできないからです。
- 音がびりつかないように、フレットのキワを押さえること。
- 弦は指頭で押さえること。(指の腹で押さえるととなりの弦に触れます)
それでは次に、下向スラー時にやってはいけない弾き方を3つ挙げます。
こうならないように注意しましょう。
指を上げる
指を上げるだけだと、ほとんど音が出ません。
スラーとは左手で弾く という意味ですので、上に上げるのではなく、横方向へしっかりと弾きましょう。
スラーする指が横方向へ動く時、スラーされる側の指は、それとは反対方向へ少し押し返すようにすると、キレイに発音できます。
例えば、以下のようなイメージです。
- スラーする指が、プラス方向へ動く時
- スラーされる側の指は、マイナス方向へ少し押し返す
スラーされる側の指もプラス方向へ動いてしまうと、しっかりと発音できません。
もし横方向へ弾いた時にとなりの弦も一緒に弾いてしまうような場合は、
- ネックの後ろに置いている親指が下過ぎる
- 手首をそらせてしまっている
のどちらか(またはその両方)が原因だと思います。
腕を振る
腕(または手首)を振ってはいけない理由は、
- となりの弦に当たる
- 動きに無駄が多い
- 弾けない曲が出てくる
等、実用的ではないからです。
腕(手首)は一切動かさず、指の根元の関節からのアクションだけで弾きましょう。
スラーの後、となりの弦に当てる
これも上記の【腕(または手首)を振る】のと同じ理由で、使いものにはなりません。
それよりも手を壊すかもしれないので、絶対に止めましょう。
続いて、低音弦でも練習してみましょう。
譜例2 – 下向スラー(低音弦)
高音弦の時と同じで、
- 指は上に上げるのではなく、横方向へ弾くこと
(軸の指は、逆方向へ少し押し返すイメージ) - 腕(手首)を振らない
(指の根元の関節から動かす) - となりの弦に当てない
この3点に注意しましょう。
準備編・下向スラー(プリング・オフ)の解説は、これで終わりです。
下向スラーをキレイに出すために、
- 指は上に上げるのではなく、横へ弾くこと
- 腕(手首)を振らない
- となりの弦に当てない
- フレットのキワを指頭でとらえる
- 軸になる指は放さず、予め置いてセットしておく
これら5つの注意点にフォーカスして、解説してきました。
私にとっては、❹が最も難しいポイントだと思っています。
これまでたくさんの方々を指導してきた感想としては、
❶と❺が難しいという方が多いようです。
皆さんも注意して、取り組んでみて下さい。
次は、【基礎技術】スラー③ – 実践編へ進みます。
これまでやってきた上向スラーと下向スラーの両方が出てきます。
ぜひ両方のスラーの基礎が整ってから、ぜひ次のステップへ進んで下さい。